「帝王切開」の看護事例を見てみよう

こんにちは！ わたしの名前は「こなす」、ほすぴぃで看護師さんに寄りそうプリセプターのような妖精のような存在。 これからよろしくね！ まず、基本的なことを確認しよう。 看護過程で大切な「SOAP」。何か分かる？ 【S】主観的情報。患者さんの話など。 【O】客観的情報。観察・検査など。 【A】アセスメント。分析・評価。 【P】看護計画。 それではこの患者さんの入院前の様子を見ていこう！

帝王切開の患者さん「ルカさん(33歳)」

	私、もうすぐママになるんだ。 帝王切開か…。 本当は自然なお産がしたかったけど、しょうがないよね。
	麻酔大丈夫かな。 手術の後どれくらい痛いのかな。 子育てもちゃんとできるかな…。
	でも、赤ちゃんのためにがんばりたい。
	■3年前(30歳) 子宮筋腫と診断され、腹腔鏡下子宮筋腫核出術を実施。
	■10か月前 自然妊娠成立、当院受診。 初産婦。
	妊娠37週6日までの経過は良好。 子宮筋腫核出後妊娠。 筋腫核出後の子宮破裂を避けるために、帝王切開分娩を提案。 患者が選択し、帝王切開にて分娩予定。
	胎児： 　第2頭位 　男児 　推定体重2800g 　(妊娠37週2日時点)

分娩方法が「経膣分娩」と「帝王切開」の2種類あるということを知っている人は多いかな？
経膣分娩は赤ちゃんが産道を通って、腟から産まれること。
帝王切開はお母さんのおなかを切って赤ちゃんを子宮から取り出すことだね。
帝王切開の欠点・利点はなんだろう？

帝王切開は経膣分娩に比べると、麻酔が必要になるし、出血量が多くなる。それは欠点と言えるね。
でも分娩にかかる時間が短くなって、母児ともに産道を通るときのストレスがないという利点もあるよ。

どんなときに帝王切開が適応されるのかな？ 母体側と胎児側に分けて考えてみよう。

帝王切開術が適応となる代表例はこちら。

■母体側
・児頭骨盤不均衡(CPD)
・前回の分娩が帝王切開
・子宮筋腫
・合併症・感染症
…etc

■胎児側
・逆子(骨盤位)
・前置胎盤
・多胎妊娠
…etc

ルカさんの場合は、帝王切開での分娩が事前に予定されているね。でも経膣分娩の予定が、緊急的に帝王切開適応となることも。
その場合、突然予期していない手術となることで産婦さんや家族が不安になることが多い。しっかりと説明し、精神面のフォローをしていこう。

■母体側
・重症妊娠高血圧症候群
・遷延分娩
・軟産道強靭
・子宮破裂
・微弱陣痛
…etc

■胎児側
・胎児機能不全
・臍帯脱出
・常位胎盤早期剥離
…etc

	ルカさんの看護を通して、産褥期と帝王切開後の周手術期での看護をみていこう。麻酔の影響や創部の疼痛、感染に注意が必要だね。肺機能検査などの検査データや前回の手術記録をしっかり確認しておこう。 また、「産んだ実感がない」など帝王切開だからこその悩みが出てくることも。褥婦の精神的なサポートも重要。考えながら進めていこう。
	正常な分娩とも比較して考えてみよう。 ほすぴぃには「正常分娩」の患者さん、りす子さんの看護もできるよ。来たら受け入れてみてね。

🍸 解いてみよう！
ここで1問。
正常の分娩経過で正しいのはどれ？

①第1頭位では右臍棘線上で胎児心音を聴取する

②陣痛周期が10分以内になった時点を分娩開始にする

③排臨は胎児先進部が陰裂間に常に見えている状態である

④分娩第2期は子宮口全開大から胎盤が娩出するまでである

解説するね。 [1](×)第1頭位とは、胎児の背中が妊婦の左側にある頭位のことで、胎児心音は左臍棘線上で聴取される。 [2](○)分娩開始とは、陣痛周期が10分以内になったとき、あるいは陣痛の頻度が　1時間6回以上になったときをさす。 [3](×)排臨とは、陣痛の波とともに胎児先進部が陰裂間に見え隠れする状態をいう。 [4](×)分娩第2期は子宮口全開大から胎児娩出までをいう。

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