• 公開日: 2018/4/21
  • 更新日: 2018/12/14

笑った顔を一度も見せずに亡くなった患者さんへの後悔を繰り返さないために

テーマ:後悔はしたけれど、私はこう立ち直りました!

あの患者さんの笑った顔を見ていない

smile

長期入院していた患者さんの願いを叶えないまま…

帰りたい、医師にかけあってほしいと何度も訴えがある、精神科に長期入院している患者さんがいました。
新卒だったあのころ、すごく気にかかる一方で、先輩方もさらっと流していた患者さんの言葉を、私もどこかで「退院はできないな」と流してしまうことがありました。
そしてその患者さんは死亡退院となりました。

あともう一度

後悔をしたまま、この世に絶望したまま亡くなってしまったのではないかととても悩みました。
いつも私が見る患者さんは困った顔、泣いた顔、懇願する顔、暗い顔…と明るい笑顔はなく、マイナスな表情だけでした。
あともう一度医師にかけあっていれば、あともう一分話をゆっくり聞いてあげれば、もう少しいい表情を見れたのではないかと、しばらくの間後悔していました。

患者さんと向き合ったといえるように

立ち直る、とは言えないかもしれませんが、もう二度とこの後悔はしていけないと思い、患者さんの言葉をもっともっと深く聞くようにしました。
同じ時間でも一言でも推し測り、同じ患者でも一秒でも長く、きちんと患者さんのことを考えて向き合ったと言えるよう、戒めました。

●執筆●ナナ さん

このエッセイは 「ナースエッセイ」 にご応募いただいたものです。
あなたも「想い」を綴ってみませんか? ご参加は こちら から!

関連記事