• 公開日: 2018/1/31
  • 更新日: 2018/12/13

シングルマザーである私の合格をサポートしてくれた「師匠」。でも…

テーマ:受験生だったあの頃

師匠

shisyo

仕事を掛け持ちしながら、大学合格を目指す

シングルマザーの私は、いくつもの仕事を掛け持ちして生活をやりくりしていました。
そんな私を見て彼は「もともと看護師に興味があったなら、大学へ進学したら?きっとミサならできるよ。」と背中を押してくれました。
彼は有名大学卒の大学院生で、受験勉強を見てくれることになりました。しかし、彼はある日急に連絡が取れなくなってしまいました。
彼と連絡をとるためにSNSで彼と同じ大学の1人に相談をしました。しかし、彼にはたどり着けずにいました。
しかし、SNSで知り合った男性にいろいろ相談をしているうちに、私はこの人のことを本当に尊敬するようになり、師匠と呼ぶようになりました。
師匠も有名大学卒業後大学院を卒業し、超一流企業で働いていました。高卒で大学のことなどなにもわからない私には、凄すぎる人でした。
私は師匠が教えてくれる通りに勉強をしました。もちろん、仕事をいくつも掛け持っていたので、仕事と育児の間に効率よく勉強するしかありません。
養育費もなにももらえずに、離婚後の生活をなんとかやりくりするのに精一杯だったので、勉強時間はほとんど取れませんでした。

師匠が滑り止めに選んだのは、まさかの…!

そろそろ受験が近づいてきた11月、師匠に滑り止めをどうするかの相談をしました。私は本命以外に行きたい所はないから、落ちたらまた受験しようと思ってました。
しかし、師匠は「受かった所に行きなさい。時間がもったいない。ミサさんならk大学受かるから滑り止めに受けてごらん。校風も合ってると思いますよ」と言い出しました。
「K?k大学??本命より偏差値高いですよ!無理です!」と言うと
「僕が嘘をついたことがありますか?僕が信用できませんか?僕がミサさんは受かると言っているのだから、大丈夫です。」と言い切りました。
私は「師匠がそう言うなら信じます」と、k大学を受けることにしました。過去問を繰り返してみると、本命よりも点を取りやすいことに気付きました。「行けるかも。やるしかない。」そう自分に言い聞かせやるだけのことをやりました。
もちろん本命はs大学で、滑り止めがk大学。みんなからは「普通逆だよ!」と言われましたがね。
S大学受験当日。
私の勘は的中し、英語は長文のネタの内容は日本語で読んだことがあることでスラスラ解け、国語は難題があったけど、前日解いて暗記していたから余裕。理科は9割予想が的中してほぼ満点。完璧なできでした。もちろん一次試験は合格。
しかし、二次試験の面接で面接官の態度がやたらときつく、泣いてしまいそうでした。
合格発表はk大学入試当日。
師匠は「s大学より、k大学が合うと思うよ。受かるから大丈夫」とのほほんとしてました。私はかなり焦っていましたが、一次がかなりうまくいったので後は神様に頼むのみ。。
そして、k大学入試。本命の発表は試験が終わるまで聞かないことにしました。緊張で試験が始まっても手が震えてました。できたという感触より、なんとか穴を埋めたという感触。
やはり難関私大というだけあり、難しい。
帰宅途中、インターネットで合否を確認しました。
「残念ながら、…」何度確認しても同じでした。
やっぱり。。。
なんとも言えない思いだけがそこにありました。

運命の日。師匠からの「最後」の電話

K大学は意外にも一次合格し、二次も師匠や友達のアドバイスでなんとか乗り越えました。
そして、k大学発表。
時計を見つめながら、あと5分。あと4分。とカウントダウンしていると、師匠から電話が。
「受かっているから大丈夫だよ。これからが本当の戦いだからね。あなたらしく頑張ってください。そして、連絡をとるのはこれが最後です。ミサさんの気持ちは知ってたよ。でも、ごめんね。実は大切な女性がいるんだ。プロポーズしようと思っている。ミサさんの受験が終わったら話そうと思ってたんだ。さようなら。ミサさん、ありがとう。知り合えてよかった。k大学はきっとに合っているから楽しんで。」
「師匠、師匠、落ちるかもですよ!不安です。」と私は繰り返しました。
でも、師匠は「大丈夫、あなたなら。」と。
そして、電話が切られてしまう前に言わなければ、一生話せなくなると思い、声にならない声で「本当にありがとうございました。そして、さようなら。あなたのおかげです。」と言うと、電話は切られてしまいました。
ちょうど時間になりインターネットで確認すると「合格です」

いつか伝わりますように

師匠!受かった!
すぐに報告したいと電話するけど、出ず。
最後のメールと心に決めて「師匠、受かりました!」と送ると「最初から受かると思ってましたよ。僕の方こそ感動をありがとう。」と返事が届きました。
そして、私の片思いも終わりました。素敵な片思いでした。
それから数年。入試の季節になると思い出します。
師匠、私は看護師頑張ってます。
いつか伝わりますように。

●執筆●ミサ23 さん
高卒のシングルマザーで可愛い娘と二人暮らし。ある時SNSで知り合った男性のアドバイスを聞いていたら難関大学合格してしまいました。
今は看護師として頑張っています。
このエッセイは 「ナースエッセイ」 にご応募いただいたものです。
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