まなび
  • 公開日: 2018/5/11
  • 更新日: 2018/12/13

「COPD」の看護事例を見てみよう

臨床看護シミュレーションアプリの「ほすぴぃ」では、様々な疾患を持つ患者さんの臨床看護を体験できます。
ほすぴぃは医療者完全監修☆本格的に楽しく学べるのに、なんと無料!
ここではCOPDの患者さん、かわじさんの入院前看護を少し覗き見してみましょう。
こんにちは!
わたしの名前は「こなす」、ほすぴぃで看護師さんに寄りそうプリセプターのような妖精のような存在。
これからよろしくね!
まず、基本的なことを確認しよう。
看護過程で大切な「SOAP」。何か分かる?

【S】主観的情報。患者さんの話など。
【O】客観的情報。観察・検査など。
【A】アセスメント。分析・評価。
【P】看護計画。

それではこの患者さんの入院前の様子を見ていこう!

COPDの患者さん「かわじさん(66歳)」

うう、苦しい…。
ゴホッゴホッ!!
■6年前(60歳)
軽度の慢性閉塞性肺疾患(COPD)と診断される。
3日前に風邪を引いて近所のクリニックを受診。
薬を処方される。
今朝、起き上がれないくらいの息苦しさあり。
様子を見ていたが呼吸困難が増強。
咳嗽、喀痰の増加。
発熱あり。(38.4度)
前かがみの状態。
妻と長男に付き添われ、救急搬送。
長男「話をするのも苦しそうで。父を助けてください。」
体温:39度
脈拍:88回/min
血圧:138/88mmHg
呼吸:20回/min
SpO2:88%
呼吸困難(++)
咳嗽(++)
喀痰(++)
喘鳴(+)
チアノーゼ(+)
関節痛(+)
倦怠感(++)
悪寒(-)
頭痛(-)
採血、静脈ライン確保。
胸部レントゲン、心電図実施。
既往歴にCOPDがあること、上記検査結果より、COPDの増悪と診断。
加療入院となる。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺の病気だということは分かるけど…肺のどんな病気かな?

COPDは肺に慢性的な炎症が起きて咳嗽や喀痰、呼吸困難などの症状が出る病気。タバコなどの有害物質を長期間吸入、曝露すると肺に炎症が起こるよ。
肺胞の収縮力が低下して縮みにくくなる。そうすると呼気の排出が制限されてしまう。
同時に末梢気道がつぶれる(虚脱)。呼息時に気道がつぶれて、吸い込んだ空気を十分に吐き出せないんだ。(閉塞性障害)


COPDによる閉塞性障害はゆっくりと進行して不可逆的。発症すると急性増悪を繰り返して慢性呼吸不全になるよ。また、気道感染を起こしやすいので気をつけて!
日本では40歳以上の約10%、70歳以上の約15%がCOPDと言われるほど身近な病気。でもそのうちの1割しか治療している人はいないんだって。

🍸 解いてみよう!
ここで1問。COPDと肺気腫、慢性気管支炎の説明について正しいのはどれ?

①COPDの別名が肺気腫

②COPDの別名が慢性気管支炎

③肺気腫と慢性気管支炎によりCOPDが起こる


解説するね。
[3](○)肺気腫や慢性気管支炎によって肺の空気をうまく吐き出せなくなる。その結果酸素不足から息切れなどCOPDの症状が出るんだ。

国際ガイドラインや日本呼吸器学会の診療ガイドラインでは肺気腫と慢性気管支炎の総称が慢性閉塞性肺疾患(COPD)とされているよ。

■肺気腫
肺胞が炎症し肺胞の壁が壊されて弾力がなくなる。
臨床的な疾患概念。

■慢性気管支炎
肺の気管支が炎症し咳や痰が出る。
病理学的な疾患概念。

🍸 解いてみよう!
国試問題に挑戦!
慢性閉塞性肺疾患について正しいのはどれ?

①残気量は減少する

②%肺活量の低下が著明である

③肺コンプライアンスは上昇する

④可逆性の気流閉塞が特徴である


解説するね。
[1](×)末梢気道の虚脱・閉塞によって吸気は流入するけど、呼気の排出が制限されるから呼気が出にくくなる。残気量は増加する。
[2](×)1秒率の低下が特徴的。極度の%肺活量の低下はみられない。
[3](○)肺コンプライアンスとは、肺の膨らみやすさのこと。COPDでは肺が膨らみすぎて呼気がうまくできない状態。肺コンプライアンスが上昇するんだ。
[4](×)不可逆的に閉塞する。
さっき「急性増悪を繰り返して慢性呼吸不全になる」って言ったけど、そもそも増悪ってどういう状態なんだ?
症状が悪化することだとは思うけどどういう風に悪化するのかな?

COPDの増悪とは、細菌やウイルスの感染、大気汚染などをきっかけに、気道がさらに炎症して症状が悪化すること
例えば、呼吸困難が強くなる、咳嗽・喀痰が増える、喀痰の色が濃くなるなど。
この状態になると呼吸機能やQOLも低下して、生命予後にも悪影響を及ぼす。

かわじさんはなんでCOPDが増悪したんだろう?
🍸 解いてみよう!
COPDが増悪した原因を探る検査をしよう。何をすべきかな?2つ選んでね。

①血糖測定

②痰培養

③呼吸機能検査(スパイロメトリー)

④抗原迅速診断

⑤胸腔鏡


解説するね。
[1](×)意識混濁や冷や汗があるなど、低血糖・高血糖が考えられる場合に血糖測定をおこなう。
[2](○)痰培養では肺炎や気管支炎の原因となる細菌を調べるんだ。COPDの増悪では細菌感染も原因の一つだからね。
[3](×)スパイロメトリーは肺に出入りする空気の量を測定する検査。COPDや気管支喘息、間質性肺炎などの診断で使われるよ。既往歴からCOPDであることは分かっているし、今のかわじさんの状態ではできない。
[4](○)抗原迅速診断ではインフルエンザウイルスなどを調べるよ。COPDの増悪ではウイルス感染も原因の一つだったね。
[5]胸腔鏡は胸腔内を観察し生検などをおこなう検査だよ。腫瘍の検査でおこなわれる。
痰培養と抗原迅速診断実施。
抗原迅速診断の結果が出たみたい!
インフルエンザA型(+)
注射・内服による薬物療法、酸素療法にて治療となる。
インフルエンザが原因だったんだね。

インフルエンザを調べるときにする抗原迅速診断
1~3月頃に外来や病棟でもよくやる検査だから覚えておこう。結果は1時間以内にすぐに分かるよ。
ただ、インフルエンザに感染してあまり時間が経っていない場合(発熱後12時間以内など)、ウイルス量が少なくて偽陰性になるので時間を置いて再びおこなう必要があるんだ。


インフルエンザは普通感冒(風邪)と比べて全身症状が強い
あなたもかかったことあるかな?38℃以上の発熱が数日続いたり、頭痛、悪寒、強い全身倦怠感、関節痛とか…つらい…。
また、普通感冒は散発性に発生するけど、インフルエンザには流行性があるよね。1~3月は特に、症状があればすぐ疑うよう意識してね。

呼吸困難に対しては、呼吸リハビリテーションが有効だよ。
この事例では、まずは肺炎の治療をして、呼吸リハビリテーションを開始していく。
呼吸困難があると食事摂取時に呼吸や咳嗽でかなりエネルギーを使う。栄養状態の低下にも気をつけていこう。

入院前の情報確認は以上だよ!
入院してからの看護は「ほすぴぃ」で。
①アプリストアで「ほすぴぃ」をインストール。
②患者さんを受け入れてね。
③続きの看護をしてみてね!

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