• 公開日: 2017/5/13
  • 更新日: 2018/12/13

ナースになった私を見ることなく、亡くなった父へ

テーマ:結婚・出産・介護…それでもNsを続けた理由

見守っててね

mimamottete

やっと看護学校に入学が決まったと思ったら…

高校3年の冬。 看護大学への進学を金銭的に諦め、公立の看護学校に受験するも倍率の高さのため、補欠合格という名の不合格… そんな中やっと看護専門学校に合格し、無事に高校も卒業出来たかと思いきや、その数日後に父が難治性の病で入院しました。

緊急入院となってしまった父

育児放棄した母の代わりに、男手ひとつで私と弟を育ててくれた父。 ガテン系で不器用で、ケガをしても病院知らずでした。 いつもタフで、人に優しく自分に厳しい父の口から、「疲れた」なんて言葉は聞いたことがありませんでした。 そんな父は、入院前の数週間、「なんだか疲れがとれなくて…」と町医者にかかっていましたが、近くの市立病院で大病が見つかりその日のうちに緊急搬送。 自宅から離れた総合病院で即日入院となり、病状に対して自覚症状が薄かった父は、主治医から「あなた爆弾抱えてるんだよ?!絶対安静でいてください!」と叱咤されていました…。 いつも気丈で病院知らずだった父だったので、すぐに帰ってくると思っていた私は、総合病院からの着信に「嘘であってくれ」と願わずにはいられませんでした。

胸を張れる看護師に

その後、入院した父は放射線や化学療法を受け、再燃と寛解を繰り返し、主治医から何度も一時帰宅を進められても「治してから帰るんだ!」と揺らがず…8ヶ月の闘病の末に、生きて再び帰宅することはありませんでした。 当時は弟と二人で、目の前が真っ暗になったような思いでしたが、そんな中でも自分の兄弟や子供のように心配したり親しみをって接してくれた、看護師の方々の優しさと職業人としての立派な姿が忘れられず… なんとか看護学校を卒業して国家資格を取得し、看護師として働くことが出来るようになりました。 今では後輩とともに夜勤をするまでになり、毎日元気に働けるように育ててくれた父には、感謝をしてもし足りないくらいです。 生きているうちに孝行は出来なかったけど、父に対して胸を張れる看護師になっていきたいと思います。
●執筆●ポポ さん

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