• 公開日: 2016/8/13
  • 更新日: 2018/12/13

私が看ていたのは、患者さん自身ではなく…

テーマ:最も心に残っているエピソード

eye

申し送り後にリーダーから言われた、一つの指示

いよいよという終末期に差し掛かった患者さんがいた。
夜勤のに入った時、フルフェイスのマスクをして開眼したまま下顎呼吸を繰り返すその患者さんに、新人の私は恐怖すら感じた。
最低限の観察をし、常に心電図が気になる。
何とか夜を越して日勤のリーダーに申し送りを済ませた。
リーダーはいち早くその患者さんのところに駆けつけ、すぐ、私にこう指示した。 「目が開いたままでかわいそうだから閉じよう。ガーゼを少し濡らしてあててあげて」

当たり前のことだったのに

看護師として、一人の人間として不自然な状態を改善する姿勢にはっとした。
開眼したままは苦しいに決まってる。
そんな当たり前のことにも気づかない自分と、いつまでもそういう姿勢を忘れないリーダー。
自分が恥ずかしくなった。

●執筆●りや さん

このエッセイは 「ナースエッセイ」 にご応募いただいたものです。
あなたも「想い」を綴ってみませんか? ご参加は こちら から!

関連記事