• 公開日: 2016/8/1
  • 更新日: 2018/12/13

大切なのは、ナースが患者から「逃げないこと」

テーマ:最も心に残っているエピソード

患者から逃げないこと

nigenai

「面倒な」患者

受け持った患者が看護師を拒否したり、不機嫌な態度で接することが多く、私自身も、面倒な患者だなと思っていました。
ある日から看護師を無視したりするようになり、私の責任と悩みました。
なるべく検温以外では行かないようにしたり、必要最低限のコミュニケーションしかしないなど、私も関わるのを遠ざけていました。
リハビリにはしっかり行っていたので、リハの様子を聞いたり、病棟での様子を伝えたところ、リハの担当者が患者について、情報をくれました。
その患者は男だけの社会で生きてきて、女性に介入されるのが苦手で、どう接して良いかわからないと言っていました。
それからも毎日担当者と連絡を取りあい、様子を聞いたり伝えたりするようにしていました。

「来ないで」の言葉の裏

ある日たまたま私がフリー業務で患者を受け持たなかった時に、その患者は、「私がいるのに自分を受け持たないのは、自分が冷たくしたからではないか」と思ったらしく、その次の日「今まで悪かった」と謝罪されました。
私も気持ちを理解できず辛い思いをさせたことを謝罪し、それを機に打ち解け、無事に退院の日を迎えました。
1年目の頃にも、看護師を選り好みする患者から「来ないで」と言われたことがありますが、「〇〇さんの看護をしたいので、介助の方法を教えてください」と患者に伝えたところ、真意が伝わり介入させてもらえるようになりました。
患者から拒否されたりすることもあるかもしれません。
けれど私は患者から決して逃げず、その患者の言動には理由があり、辛い入院生活を虐げられている患者の気持ちや、その人の背景にあるものを理解できるように、努めたいと思いました。

●執筆●みつやさいだー さん
介護士から看護師へ転職
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