• 公開日: 2016/5/21
  • 更新日: 2018/12/13

優しかった祖父が、最期の日に食べたのは…

テーマ:看護師の私が体験した、家族の介護

鯛のお刺身

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大好きな祖父

祖父を介護していました。今は天国にいます。
「困ったことがあればわしにいいんさいよ」ニコニコしながら言う祖父が大好きでした。

鯛のお刺身

疾患に2型DMとaf(ペースメーカーあり)あり、時に肺水腫を生じ入退院を繰り返していました。
作ったご飯も残し、祖父の体重が減少し続ける中、「鯛の刺身は美味しいよの…」とぼやく祖父。その日のご飯に鯛の刺身を出すと、嬉しそうに食べ、自力でご飯を注ぐ様子も見られました。
家族だけど、祖父の事をまだ全て理解出来ていない!と強く思った瞬間でした。
自宅で倒れ急変した際、最期に食べたのも、鯛の刺身。
救急車が来るまでの血圧測定時、祖父は意識が低下しながらも腕を伸展させ、計りやすくしてくれたこと。「わしの事はいいから…」と呟いたこと。
焦りの中、祖父の優しさを強く感じた瞬間でした。
その後、祖父はICUで数日頑張った後、天国へ旅立ちました。

祖父の介護が教えてくれたこと

私にとって祖父の介護は
【知らない祖父の生活史を教えてくれたこと】
【介護の苦しさの中にも、良い変化に私も祖父も喜びをお互いに感じることができた時間だったこと】
【最期に祖父は、身を持って1日1日が大切であることを教えてくれたこと】でした。
今も店で鯛の刺身を見ると、祖父の笑顔を思いだします。
同時に、「立派な看護師になれよ」と祖父が背中を押してくれている気がし、今日も学習や実習に励んでいます。

●執筆●あやか さん
看護学生3年です。患者さんと関わることがすごく好きです
このエッセイは 「ナースエッセイ」 にご応募いただいたものです。
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